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「太陽光パネルを設置したけれど、夜間の電気代は結局高いまま……」
「万が一の災害による停電も不安だ……」
上記の悩みをもつ方には、太陽光パネルに加えて蓄電池の導入がおすすめです。日中に発電した電気を貯めて夜間や停電時に使える蓄電池は、家計と暮らしの大きな安心につながります。
本記事では、太陽光パネルにおける蓄電池導入のメリット・デメリット、費用相場まで詳しく解説します。本記事を読めば、太陽光パネルの蓄電池に関して基本情報を把握し、スムーズな導入が可能です。ライフスタイルにあった蓄電池を導入し、万が一の災害でも安定して電気が使える環境を整えましょう。
太陽光発電の蓄電池とは?あり・なしでは何が違う?

蓄電池とは、太陽光パネルで発電した電力を一時的に貯蔵して必要なタイミングで使用できるようにする装置です。家庭の屋根に設置された太陽光パネルは、日中の太陽が出ている時間帯にしか発電できません。しかし、私たちは日が沈んだ後の夜間も電気を多く使います。
上記の発電時間と電気を使う時間帯のズレを解消するのが、蓄電池の役割です。日中に太陽光パネルで発電した電気のうち、使い切れなかった余剰電力を蓄電池に貯めておけます。蓄電池により、太陽が沈んだ夜間や雨や曇りなどの発電量が少ない日でも貯めておいた電気を取り出して使えるようになるのがメリットです。
太陽光パネルと蓄電池をセットで導入する5つのメリット

太陽光パネルと蓄電池をセットで導入するメリットとして、以下の5つがあげられます。
- 電気代を大幅に削減できる
- 災害・停電時でも電気が使える
- FIT制度の買取期間終了後も余剰電力を無駄なく活用できる
- 国や自治体から補助金がもらえる
- 環境にやさしい暮らしに貢献できる
蓄電池には数多くのメリットがあるため、積極的に導入を検討しましょう。
電気代を大幅に削減できる
太陽光パネルと蓄電池をセットで導入する最大のメリットは、月々の電気代を大幅に削減できる点です。なぜなら、蓄電池があると電力会社から電気を買う量を最小限に抑えられるためです。
例えば、太陽光パネルだけの場合は日中に発電した電気は家庭内で使われますが、使い切れずに余った分は電力会社へ売電されます。そして、発電できない夜間は電力会社から電気を購入する必要がありました。
しかし、蓄電池があれば、日中に余った電力を売電せずに貯めておけます。貯めた電気を電気代が高くなりがちな夕方や夜間に使えば、電力会社からの買電を限りなくゼロに近づけるのも可能です。
発電した電気を売るよりも自宅で使い切る方が、経済的なメリットは大きくなります。太陽光パネルと蓄電池の組み合わせは、上記の自家消費を最大化するための最適なシステムです。
災害・停電時でも電気が使える
災害・停電時でも電気が使える点も、蓄電池を導入するメリットです。太陽光パネルだけの場合でも、日中であれば太陽光パネルで発電した電気を使えます。しかし、停電が夜間に発生したり、悪天候で発電しなかったりした場合は電気を使えません。
蓄電池があれば、日中に太陽光パネルで発電・充電しておいた電気を夜間の停電時でも使用できます。照明の確保やスマートフォンの充電など生活を維持するために必要なライフラインを確保できるのは、大きな安心感につながります。
FIT制度の買取期間終了後も余剰電力を無駄なく活用できる
FIT制度の買取期間終了後に余剰電力を無駄なく活用できる点も、蓄電池を導入するメリットです。太陽光パネルを設置するとFIT制度により、10年間は国が定めた比較的高い価格で余剰電力を買い取ってもらえます。
しかし、10年間の期間が終了すると売電価格は大幅に下落してしまいます。FIT終了後の買取価格が、電力会社から購入する電気代よりも大幅に低くなるケースは珍しくありません。
上記のケースでは、貴重な電気を安価で売るよりも蓄電池に貯めて買う電気を減らす方が圧倒的に経済的メリットが大きくなります。将来にわたって太陽光パネルの価値を最大限に引き出すために、蓄電池は非常に有効なパートナーとなります。
国や自治体から補助金がもらえる
太陽光パネルと蓄電池の導入は、国や自治体の補助金対象である点もメリットです。国や自治体の補助金制度を活用すれば、初期費用を抑えて導入のハードルを下げられます。
補助金の名称や金額、申請の条件は年度や自治体によって大きく異なります。太陽光パネルと蓄電池を導入する際は、必ず最新の補助金情報を自治体の窓口や専門業者に確認しましょう。
環境にやさしい暮らしに貢献できる
経済的なメリットや防災面の安心感だけでなく、地球環境に配慮した暮らしを実現できる点も大きな魅力のひとつです。太陽光パネルが生み出すのは、二酸化炭素を排出しないクリーンな再生可能エネルギーです。
蓄電池を導入して最大限家庭で活用できれば、火力発電所などで作られる化石燃料に頼った電力の使用を減らすのに直結します。結果として、家庭単位でCO2排出量を削減して地球温暖化対策へ貢献できます。
蓄電池を導入する3つのデメリット

一方で、蓄電池の導入には以下のようなデメリットも存在します。
- 高額な初期費用がかかる
- 設置スペースの確保が必要
- 蓄電池には寿命がある
上記のデメリットに対しては、事前に対策を講じておきましょう。
高額な初期費用がかかる
蓄電池の導入を検討するうえで、最も大きなハードルとなるのが初期費用です。太陽光パネルの設置費用に加えて高性能な家庭用蓄電池本体の価格、さらに設置工事費が必要となります。
具体的な金額は蓄電池の容量やメーカー、機能によって大きく異なります。しかし、蓄電池は一般的に数十万円はかかり、大容量のものでは200万円を超えるケースも珍しくありません。蓄電池を導入する際は補助金を活用するなど、自己負担をなるべく抑える工夫を行いましょう。
設置スペースの確保が必要
家庭用蓄電池はある程度の大きさがあるため、設置する際に物理的なスペースが必要な点もデメリットです。多くの場合、蓄電池は屋外で専用の土台に設置されますが、機種によっては屋内設置が推奨される場合もあります。
設置場所には機器の重量に耐えられる土台が必要であり、メンテナンスのための作業スペースも考慮しなくてはなりません。また、高温多湿になる場所や騒音の影響が大きい隣家に近い箇所は避けるなどの配慮も求められます。敷地や間取りによっては希望の場所に設置できない可能性もあるため、必ず施工業者による現地調査で設置可否を確認しましょう。
蓄電池には寿命がある
蓄電池には寿命がある点も、導入の際に注意すべきポイントです。蓄電池は充放電を繰り返すと、蓄えられる電気の容量が少しずつ減少していきます。
寿命が来ると蓄電池は交換が必要で、費用が発生します。蓄電池を選ぶ際は保証サイクル数や保証年数を比較し、できるだけ耐久性の高い製品を選ぶのがおすすめです。
太陽光パネルと蓄電池の価格相場|工事費を含めた設置費用の総額目安

太陽光パネルと蓄電池の設置費用は、主に機器本体の価格と設置工事費で構成されます。経済産業省のデータによると、太陽光パネルと蓄電池の設置費用の目安は以下の通りです。
| 住宅用太陽光パネルの設置費用相場 | 1kWあたりの単価で約28.6万円 |
| 家庭用蓄電池の設置費用相場 | 1kWhあたりの単価で約17万円~22万円 |
太陽光パネルに関しては一般的な家庭で設置される4〜5kWのシステムの場合、総額で約115万円〜144万円程度が目安となります。一方の蓄電池に関しては5kWh〜10kWh程度の一般的な容量の場合、総額で約85万円〜220万円程度が目安です。もちろん、上記の金額はあくまで相場であり、設置する屋根の形状や材質、選ぶメーカーや蓄電池の機能によって最終的な費用は変動します。
モデルケース別の導入費用シミュレーション
では、より具体的にイメージしやすいよう標準的な家庭を例にした導入費用のシミュレーションを見てみましょう。
【モデルケース:4人家族で戸建て住宅】
①太陽光パネルの導入費用
- 設置容量:5kW
- kW単価:28万円と仮定
- 費用目安:5kW×28万円=約140万円
②家庭用蓄電池の導入費用
- 蓄電容量:8kWh
- kWh単価:17万円と仮定
- 費用目安:8kWh×17万円=約136万円
【合計導入費用(①+②)】
約140万円(太陽光パネル)+約136万円(蓄電池)=総額約276万円
上記のシミュレーションのように太陽光パネルと蓄電池を同時に導入する場合、総額で250万円から300万円程度になります。
太陽光パネルと蓄電池の導入で使える補助金制度

太陽光パネルと蓄電池の導入で使える補助金制度として、以下の3つを紹介します。
- DR家庭用蓄電池事業
- ZEH補助金
- 子育てグリーン住宅支援事業
設置業者と相談しながら、上記の補助金制度を有効活用して太陽光パネルと蓄電池の導入費用を抑えましょう。
DR家庭用蓄電池事業
DR家庭用蓄電池事業は、蓄電池の導入を支援する補助金制度です。DR家庭用蓄電池事業の特徴は、DRに対応した蓄電池が対象である点です。
DRとは電力需給がひっぱくする時間帯に、電力会社からの要請に応じて蓄電池の放電などを遠隔制御して電力網の安定化に協力する仕組みを指します。補助額は1申請あたり上限60万円と、比較的高額に設定されています。
参考:DR家庭用蓄電池事業
ZEH補助金
ZEH補助金とはZEH基準を満たす住宅を新築・購入する場合、住宅そのものに対して55万円~90万円の補助が受けられる制度です。ZEHとは高い断熱性能と省エネ設備、太陽光パネルなどの創エネ設備を組み合わせ、年間の一次エネルギー消費量の実質ゼロ以下を目指す住宅を指します。
ZEH補助金には、蓄電システムに対する追加補助が用意されている点が特徴です。ZEH住宅の要件に加えて蓄電池を導入する場合、最大20万円が上乗せで補助されます。太陽光パネルの設置が前提となるZEH住宅と蓄電池は相性が良いため、新築で導入を検討している方には最適な補助金制度です。
参考:ZEH補助金
子育てグリーン住宅支援事業
子育てグリーン住宅支援事業は、省エネ性能の高い住宅の新築や既存住宅の省エネリフォームを幅広く支援する制度です。名称に子育てとありますが、リフォームに関しては世帯を問わず利用できるのが特徴です。
子育てグリーン住宅支援事業において蓄電池は、エコ住宅設備の設置のひとつとして補助対象に含まれています。具体的には、リフォームにおいて蓄電池1台につき64,000円の定額補助が受けられます。
ただし、蓄電池の設置単体では申請できない点に注意が必要です。開口部・外壁・屋根・天井・床の断熱改修など、指定された省エネリフォーム工事と同時に行わなければなりません。
家庭に合った蓄電池を選ぶ3つのポイント

家庭に合った蓄電池を選ぶポイントとして、以下の3つがあげられます。
- ライフスタイルに合った蓄電容量を選ぶ
- 停電時に使いたい家電から機能を選ぶ
- 信頼できるメーカーと設置業者を選ぶ
上記のポイントを参考に、求める条件にあった蓄電池を選びましょう。
ライフスタイルに合った蓄電容量を選ぶ
蓄電池選びで最も重要なのが蓄電容量で、「蓄電池がどれだけの電気を貯められるか」を示す数値です。蓄電容量は、多ければ多いほど良いという単純なものではありません。以下のように、ライフスタイルを考慮して蓄電容量を選ぶ必要があります。
| 家庭のタイプ | 主なライフスタイル・ニーズ | おすすめの蓄電容量 |
| 夜間の電気使用量が多い家庭 | ・オール電化で夜間に電気を多く使う
・家族の人数が多い ・夜間もエアコンを常時稼働させる |
10kWh以上の大容量タイプがおすすめで、日中の余剰電力を最大限活用し、夜間の買電を減らせる |
| 停電対策を重視したい家庭 | ・日中は仕事などで不在がち
・夜間の電気使用量は比較的少ない ・災害時、最低限の電気を確保したい |
5kWh~7kWh程度の中容量タイプがおすすめで、停電時の備えとして十分機能し、コストとのバランスも良い |
まずは毎月の検針票を確認し、「夜間や早朝に電力会社からどれくらい電気を買っているか」を把握しましょう。
停電時に使いたい家電から機能を選ぶ
蓄電池を導入する際は、停電時に使いたい家電から機能を選びましょう。蓄電池には主に特定負荷型と全負荷型の2種類があり、どちらを選ぶかで停電時の利便性が変わります。
特定負荷型は設置の際に「このコンセントと、この照明だけは停電時に使えるようにする」と、あらかじめ決めておくタイプです。例えば、「リビングの照明」「冷蔵庫」「スマートフォンの充電用コンセント」など指定した場所だけに電気を供給できます。メリットは蓄電池の価格が比較的安価であり、貯めた電気を節約しながら長く使える点です。
全負荷型は、停電が発生しても家全体のコンセントや照明に電気を供給できるタイプです。家全体に電気を供給できるため、停電時でも普段とほとんど変わらない生活を維持できる安心感が得られます。ただし、機器の価格は高くなる傾向があり、家全体で電気を使うため蓄電池の残量は早く減ります。
信頼できるメーカーと設置業者を選ぶ
蓄電池を導入する際は、信頼できるメーカーと設置業者を選びましょう。蓄電池は精密機器であるため、長期保証があるメーカーの製品が不可欠です。メーカーを選ぶ際は、「国内での販売実績が豊富か」「万が一の際のサポート体制に問題がないか」を確認しましょう。
また、すでに太陽光パネルを設置している場合、蓄電池も同じメーカーで揃えるのがおすすめです。パワーコンディショナを1台に集約できるなど、太陽光発電のシステム連携がスムーズにいきます。
そして、蓄電池の設置を依頼する業者も慎重に選びましょう。太陽光パネルや蓄電池の設置工事は専門技術を要し、ずさんな工事は機器の故障などトラブルの原因となります。単に見積もり価格が安い業者を選ぶのではなく、以下の条件を満たすかもチェックしましょう。
- 設置業者がメーカーの施工認定を受けているか
- 太陽光パネルや蓄電池の設置実績は豊富か
- インターネット上での口コミ・評判は良いか
- アフターフォローはしっかりしているか
必ず複数の業者から相見積もりを取り、説明の丁寧さや専門知識を比較検討してください。
なお、蓄電池の導入を設置業者に依頼する場合は、そらトクの利用がおすすめです。そらトクでは最短30秒の簡単な情報入力で、希望条件に最適な審査済みの優良業者を最大5社紹介します。
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まとめ|太陽光パネルと蓄電池をスムーズに導入しよう
太陽光パネルと蓄電池のセット導入は電気の自給自足を実現し、家計と暮らしを守るための有効な選択肢です。蓄電池を導入すれば、日中に太陽光パネルで発電した電気を蓄電池に貯め、夜間や悪天候時に使えます。電力会社から電気を買う必要が少なくなるため、電気代の大幅な削減につながる点がメリットです。
電気代の削減が期待できるだけでなく、FIT制度の10年期間終了後も安価になった売電に頼らず電気を有効活用できます。また、災害による停電時も電気が使える安心感は、何物にも代えがたい価値があります。
導入には太陽光パネルと蓄電池を合わせて200万円〜300万円台のまとまった初期費用がかかります。そして、設置スペースの確保や蓄電池の寿命も考慮しなければなりません。しかし、上記の費用負担は、ZEH補助金などの制度を活用して軽減できる可能性があります。
導入を成功させる鍵は電気使用量に合った容量や停電時の機能を見極め、長期にわたって信頼できる施工業者を選ぶことです。太陽光パネルと蓄電池をスムーズに導入し、電気代の大幅な削減につなげましょう。

