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太陽光パネルを設置している、もしくは予定している方の中には廃棄費用がいくらになるか不安な人もいるのではないでしょうか。住宅用太陽光パネルの廃棄費用は30万円程度が相場ですが、工夫次第で費用を抑えられます。
本記事では太陽光パネルの廃棄費用について相場や内訳、安く抑える方法まで詳しく解説します。本記事を読めば、太陽光パネルの廃棄費用を把握してスムーズに専門業者へ廃棄の依頼が可能です。太陽光パネルの廃棄費用相場を把握し、なるべく安く廃棄作業を実施しましょう。
家庭用・住宅用太陽光パネルの廃棄費用の相場は30万円程度

一般的な家庭用・住宅用太陽光パネルの廃棄費用は、総額で30万円程度が相場です。上記の金額には、屋根からパネルを取り外す撤去工事費とパネルそのものを処分する処分費などが含まれています。
ただし、実際に廃棄費用は自宅の設置状況やパネルの枚数、依頼する業者によって変動します。正確な廃棄費用を知りたい場合は、依頼する専門業者に見積もりをとりましょう。
1kWあたり・1枚あたりの廃棄費用の目安
太陽光パネルの1kWあたり・1枚あたりの廃棄費用の目安は、以下のとおりです。
| 1kWあたりの廃棄費用の目安 | 1.0万円/kW~1.4万円/kW |
| 1枚あたりの廃棄費用の目安 | 約2,500~3,500円/枚(1kW=4枚と仮定) |
太陽光パネルの廃棄費用が決まる4つの要因

太陽光パネルの廃棄費用が決まる要因として、以下の4つがあげられます。
- パネルの枚数と種類
- 屋根の形状や材質
- 足場の設置の有無
- 依頼する業者の違い
パネルの枚数と種類
最も分かりやすい変動要因は、屋根に設置されている太陽光パネルの枚数です。当然ながら枚数が多いほど撤去作業の手間が増え、廃棄費用は比例して高くなります。
また、太陽光パネルの廃棄費用を考える上で見落としがちなのがパネルの種類です。現在、住宅用で主流となっているシリコン系パネルのほか、製品によってはCIS系など特定の化合物が使われているものもあります。パネルに含まれる物質によって法律で定められた処分方法や専門の処理業者が異なる場合があり、結果として廃棄費用に差が出るケースがあります。
屋根の形状や材質
太陽光パネルが設置されている屋根の状況も、撤去費用を左右する重要な要素です。例えば、屋根の勾配が急であればあるほど作業の危険度が増し、安全対策もより強固にする必要があるため作業費が高くなあります。
また、屋根材が瓦なのかスレートなのか、あるいは金属なのかによってもパネルの固定方法が異なります。特に、デリケートな瓦屋根の場合は作業中に屋根材を破損させないよう慎重な作業が求められるため、費用も高額になりやすいです。
足場の設置の有無
太陽光パネルの廃棄費用が大きく変わる要因として、足場代があるかどうかがあげられます。高所である屋根の上での作業には作業員の安全を確保し、近隣への万が一の落下物を防ぐために足場の設置が原則として必要です。
上記の足場を設置する費用だけで、一般的に約15万円〜25万円が別途かかるのが相場です。もし、パネルの撤去・廃棄のためだけに足場を組むとなると総額が大きく膨らんでしまいます。
依頼する業者の違い
太陽光パネルの廃棄をどの業者に依頼するかによっても、費用は大きく変わってきます。太陽光パネルの廃棄を依頼する選択肢としては、以下のような先が考えられます。
- 家を建てたハウスメーカー
- 近所のリフォーム会社
- 太陽光パネルの専門設置・撤去業者
- 産業廃棄物処理業者
例えば、ハウスメーカーや大手リフォーム会社は知名度もあり会社として信頼性があります。しかし、実際の作業は下請け業者が行うなど、中間マージンが発生して割高になるケースも少なくありません。
一方で、産業廃棄物処理業者は処分のプロですが、屋根から安全に撤去する作業には慣れていない可能性もあります。費用と作業内容のバランスを見極めるためにも必ず複数の業者から見積もりをとり、条件を比較しましょう。
2022年から始まった廃棄費用の積立制度とは

2022年7月から、太陽光発電の将来的な廃棄を確実に行うための新しいルールとして廃棄費用の積立制度がスタートしました。上記は将来パネルを処分する際の費用が支払われず、不法投棄などにつながる事態を防ぐための取り組みです。ただし、本制度の対象は10kW以上の事業用太陽光発電であり、一般的な家庭の太陽光発電は対象ではありません。
なお、本制度は国のFIT/FIP制度の認定を受けている発電事業者が対象です。対象となる事業者は売電期間が終了する前の10年間、毎月の売電収入の中から国が定めた金額が廃棄費用として天引きされる形で積み立てられます。
積み立てられたお金は、電力広域的運営推進機関と呼ばれる中立的な第三者機関が管理します。そして、実際にパネルを廃棄するタイミングで事業者は機関に申請し、積み立てていた費用を受け取って処分に充てられる流れです。
太陽光パネルの廃棄・処分を検討するべき3つのタイミング

太陽光パネルの廃棄・処分を検討するべきタイミングとして、以下の3つがあげられます。
- 一般的な寿命を迎えたとき
- 故障や発電効率が著しく低下したとき
- 家の解体や大規模リフォームするとき
上記のタイミングが来た際は、太陽光パネルの廃棄・処分を検討しましょう。
一般的な寿命を迎えたとき
太陽光パネルの廃棄を考える最も一般的なタイミングが、製品の寿命です。多くの国内メーカーは太陽光パネルの出力保証を20年~25年程度としているため、本数値が寿命の目安となります。ただし、25年経ったら直ちに使えなくなるわけではなく適切にメンテナンスすれば30年以上発電を続けるケースも珍しくありません。
なお、忘れてはならないのが発電した電気を家庭で使えるように変換するパワーコンディショナーの存在です。パワーコンディショナーの寿命は太陽光パネル本体より短く、一般的に10年~15年とされています。つまり、パネルの寿命が来る前に一度はパワコンの交換が必要になる計算です。
例えば、太陽光パネルの設置から20〜25年が経過して2回目のパワーコンディショナーの交換時期が迫ってきたとしましょう。「太陽光パネルとパワーコンディショナーの交換費用を払うより、撤去した方が安いのでは」と、天秤にかけて検討する方が多い状況です。
故障や発電効率が著しく低下したとき
故障や発電効率が著しく低下したときも、太陽光パネルの廃棄を考えるタイミングです。太陽光パネルは耐久性が高い製品ですが、稀にパネル内部の不具合やヒビが原因で期待通りの発電ができなくなるケースがあります。
「最近、売電量が減った気がする」「モニターにエラー表示が出た」などのサインに気づいたら、専門業者による点検が必要です。もし点検の結果で修理費用が高額になる、または保証期間が切れていて修理が難しかったとしましょう。太陽光パネルの廃棄費用を支払い、システム全体を撤去する選択肢が現実味を帯びてきます。
家の解体や大規模リフォームするとき
家の解体や大規模リフォームするときも、太陽光パネルを廃棄するタイミングの1つです。「家を建て替える」あるいは「売却して更地にする」場合は、当然ながら太陽光パネルも撤去・廃棄しなければなりません。また、屋根の塗装や葺き替え工事を行う際も、多くの場合は一度パネルを屋根から取り外す必要があります。
上記のタイミングは、太陽光パネルの廃棄費用を考える上で非常に重要です。もし「パネルも古くなってきたし、リフォームを機に撤去しよう」と決めた場合、リフォームで設置する足場をパネル撤去にも流用できます。そのため、本来パネル撤去のためだけにかかるはずだった足場代を節約できます。
太陽光パネルの廃棄費用を安く抑える3つの方法

太陽光パネルの廃棄費用を安く抑える方法として、以下の3つの方法があげられます。
- 複数の業者から相見積もりをとる
- 屋根の葺き替えなどほかの工事と同時に行う
- 自治体の補助金制度を活用する
- 火災保険が適用できるケースもある
上記の方法を参考に、太陽光パネルを廃棄する際は費用をなるべく安く抑えましょう。
複数の業者から相見積もりをとる
まず、最も基本的かつ効果的な方法が複数の業者から見積もりをとる相見積もりです。太陽光パネルの撤去・処分には定価が存在せず、依頼する業者によって金額が大きく異なります。
例えば、家を建てたハウスメーカーや地元のリフォーム店、太陽光パネルの専門業者、産業廃棄物処理業者など依頼先はさまざまです。業者によって得意とする工事内容が異なり、同じ作業でも10万円以上の差が出るケースも珍しくありません。
最低でも2〜3社に現地調査を依頼し、必ず作業・費用の内訳が明記された見積書を比較検討してください。複数業者から見積もりをとれば、費用を含めてより良い条件で太陽光パネルの廃棄を依頼できます。
屋根の葺き替えなどほかの工事と同時に行う
太陽光パネルの廃棄費用を大きく抑えられる可能性があるのが、屋根の葺き替えなどほかの工事と同時に行う方法です。廃棄費用の見積もりの中で大きな割合を占めるのが高所作業に必須の足場代で、一般的に約15万円〜25万円かかります。もし、パネルの撤去・廃棄のためだけに足場を組むと総額は一気に跳ね上がってしまいます。
しかし、外壁塗装や屋根の葺き替えなどの足場が必要となるほかの大規模リフォームを計画している場合を考えましょう。上記のリフォーム工事と同時にパネルの撤去を行えば、足場代を共通化できます。結果として、太陽光パネルの廃棄費用から足場代を実質的に差し引けるため、コストを大幅に抑えられます。
自治体の補助金制度を活用する
地域によっては、太陽光パネルのリサイクルを中心とした処分に対して自治体が独自の補助金や助成金制度を設けている場合があります。例えば、東京都では「使用済住宅用太陽光パネルリサイクル促進事業」を実施しています。指定業者にリサイクルを依頼した際の処理費を補助してくれる制度で、1kWあたり25,000円の補助金を受けられます。
もちろん、補助金制度はすべての自治体で実施されているわけではなく、制度によって条件・予算・申請期限はさまざまです。まずは、自治体の環境課やエネルギー政策課の窓口に問い合わせて制度の有無を確認しましょう。
太陽光パネルの処分を依頼できる専門業者の見極め方

太陽光パネルの処分を依頼できる専門業者の見極め方として、以下の3つがあげられます。
- 産業廃棄物処理の許可を持っているか
- 見積書の内訳が明確か
- 損害賠償保険に加入しているか
上記のポイントを確認し、求める条件にあった専門業者に太陽光パネルの処分を依頼しましょう。
産業廃棄物処理の許可を持っているか
まず確認したいポイントが、産業廃棄物処理の許可を持っているかどうかです。家庭から出たものであっても、事業活動(売電)に伴って排出される太陽光パネルは産業廃棄物に分類されます。
産業廃棄物を法律に則って収集・運搬・処分するためには、都道府県知事などから産業廃棄物収集運搬業の許可を得なければなりません。そのため、見積もりを依頼する際に必ず許可証の有無、あるいは許可を持つ業者と提携しているかを確認しましょう。
見積書の内訳が明確か
見積書の内訳が明確かどうかも、太陽光パネルの処分を依頼する業者を選ぶ際は確認しておきたいポイントです。具体的には、以下のような項目ごとにいくらかかるのかが明記された見積書が理想です。
- 足場代
- パネル撤去作業費
- 収集運搬費
- パネル処分費
費用の内訳が曖昧だと、後から追加費用を請求されるなどトラブルの原因になります。また、複数の業者を比較検討する際にも費用の詳細な内訳は不可欠です。
損害賠償保険に加入しているか
損害賠償保険に加入しているかどうかも、業者を選ぶ上で確認しておきたいポイントです。太陽光パネルの撤去は屋根の上での高所作業であり、重量物の取り扱いも伴います。どれだけ優良な業者であっても、以下のような事故を起こしてしまうリスクはゼロではありません。
- 作業中に誤ってパネルを落下させてしまう
- 屋根材を破損させてしまう
- 隣家の所有物を傷つけてしまう
万が一の事態に備え、業者が請負業者賠償責任保険などの損害賠償保険に加入しているかを確認しましょう。もし未加入の業者に依頼して事故が起きた場合、損害費用を自身が負担しなければならなくなる可能性もあります。
太陽光パネルを廃棄・処分する以外の選択肢

もし、自宅の太陽光パネルが発電能力を残している場合、廃棄費用を支払う代わりに中古パネルとして売却できる可能性があります。例えば、「設置から年数が浅い」「国内の有名メーカー製である」などの条件が揃えば、中古市場で価値がつくケースがあります。小規模な発電所を安価に作りたい事業者からの需要が見込める上、海外の発展途上国などでは低価格の中古パネルに人気があるためです。
具体的には、「太陽光パネル 中古 買取」などのキーワードで専門業者を探し、査定を依頼してみましょう。業者によっては、太陽光パネルの撤去作業も込みで買い取ってくれる場合があります。もし売却が成立すれば、太陽光パネルの廃棄費用がかからないばかりかプラスの収入を得られます。
まとめ|太陽光パネルの廃棄費用を安く抑えてスムーズに処分しよう
住宅用太陽光パネルの廃棄費用は、平均で約30万円と決して安くありません。廃棄費用にはパネル本体の処分費だけでなく、屋根からの撤去作業費や高所作業のための足場代が含まれるためです。
高額な廃棄費用を賢く抑える最大のポイントは、太陽光パネルを処分するタイミングです。外壁塗装や屋根の葺き替えなどほかのリフォームと同時にパネルを撤去できれば、足場代を共通化できてコストを大幅に削減できます。
また、太陽光パネルの処分を依頼する業者選びも重要です。産業廃棄物処理の許可を持つ専門業者に依頼し、必ず複数の業者から相見積もりをとって費用の内訳を比較しましょう。
まだ発電能力がある太陽光パネルであれば、中古パネルとして売却する選択肢もあります。本記事を参考に、太陽光パネルの廃棄費用を安く抑えてスムーズに処分しましょう。



